冬の素材研究 ─ Salon de Waltzが選ぶ“日本のモコモコ”

※トップ写真で伝えれるものがなくて、スキャバルの羊ちゃんを画像として使わせてもらいましたことご了承くださいませ。

「秋冬のスタイリングで欠かせない“温もり”を、もう少し上質に。」ということで、今回ご紹介するのは、日本の機屋さんによる国産モコモコ素材。無名ですが、質の良い素材感で男女問わずコート素材におススメできるかなとご紹介させてもらいます。どれも国内生産ならではの繊細な風合いと、安心感のある着心地を併せ持つ生地です。

国内で丁寧に仕上げられたモコモコ素材、軽やかで実用的、それでいて上品さを失わない3種のファブリックをご紹介します。

こちらは、軽やかで柔らかな風合いが特徴。パイル素材をベースに起毛加工を施し、ウールの温もりとジャージー特有のストレッチ性を両立。コートだけでなく、ブルゾンやジャケットにも適したバランスの良い素材感です。表面は繊細な毛羽が揺れ、軽快な印象を保ちつつ、保温性も確保します。

 

■ 生地の特徴
ベースはウール主体のパイル素材で、起毛加工を施しています。

ジャージー生地特有の軽さと伸縮性を兼ね備え、見た目はふんわりとしたシャギー感がありながら、裏面はフラットで着用感が良いのが特徴。

天然繊維のウール(73%)による保温性と吸放湿性、ポリエステル(27%)による形状安定性と耐久性のバランスが取れています。

見た目に反して軽量(250g/m²)で、カーディガンジャケット・ブルゾンなど、立体感を出したいアイテムに適します。

■ 取扱いのポイント
起毛面は摩擦に弱く、鞄や椅子との擦れで毛玉(ピリング)が生じやすいため注意。

ハンガーは厚みのある木製や布張りタイプを使用し、型崩れ防止。

着用後はブラッシングで埃を払い、風通しの良い場所で休ませることで、繊維の復元力を保ちます。

■ 洗濯方法
ドライクリーニング推奨(石油系)
ウールの縮みや風合い変化を防ぐため、水洗いは避けてください。

家庭でのケアが必要な場合は:

短時間のスチームでシワを整える(アイロンは中温・当て布使用)

汚れは部分洗い(中性洗剤+タオル押し拭き)

保管は完全乾燥後、防虫剤を離して使用してください。

上品なブラックやチャコールで仕立てると、上質なショートコートやブルゾンにも最適です。

ふっくらとした羊毛のような質感を再現したボリューム素材。特殊なシープ加工によって、立体的で奥行きのある表情を持ちます。見た目に反して軽量で、コートやベスト、ライニングのアクセントにもおすすめ。本格的なムートン調の暖かみがありながら、ウール混紡による通気性も確保しています。

■組成の解説
Wool(ウール)59%
 主成分であるウールが約6割を占めることで、天然素材らしい保温性・吸湿性・柔らかさを確保しています。
 ウール特有の“ふんわりとした膨らみ”があり、着用時に軽やかで暖かい空気を含む構造を作ります。

Polyester(ポリエステル)26%
 合成繊維を混ぜることで、型崩れしにくく、耐摩耗性・速乾性を向上。
 ウール100%よりもシワになりにくく、軽さと安定感をプラスしています。

Polyamide(ナイロン)15%
 いわゆるナイロンが加わることで、糸の強度や摩擦耐性が高まり、ループパイルの立ち上がりや質感をキープしやすくなります。
 結果として“リアルな羊毛感と軽量性”を両立したモコモコ感が実現されています。

■生地の特徴
ふっくらとしたループパイル構造で、見た目・触感ともに暖かみを感じさせる素材。

表面に凹凸があるため、光の反射が柔らかく、上品なマットトーンを演出。

比較的軽量で、カーディガンジャケット・ブルゾン・コートなどに最適。

シープスキンのような柔らかさと保温力を持ちながら、動きやすく仕立て映えします。

■お手入れ・洗濯方法
基本はドライクリーニング推奨。
 起毛パイル素材のため、水洗いでは毛羽がつぶれたり、風合いが変化するおそれがあります。

自宅でケアする場合は以下に注意:
 ・短時間の陰干しで湿気を飛ばす
 ・柔らかいブラシで毛並みを整える
 ・スチームアイロンは浮かせて使用し、押し付けない

防虫・防湿剤を入れて、通気性のあるカバーで保管すると長持ちします。

■ 素材構成
ウール(毛)73%
 天然繊維であるウールは、保温性・吸湿性に優れ、冬場でも蒸れにくい特性があります。弾力性があるためシワになりにくく、上質な風合いと柔らかさをもたらします。

ポリエステル 27%
 化学繊維のポリエステルをブレンドすることで、強度と形状安定性が向上します。ウール100%よりも軽く、摩擦や型崩れに強いのが特徴です。
 また、起毛加工を施した際に毛羽がきれいに立ち、ふんわりとしたシャギー感を安定的に保つ効果もあります。

■ 生地特性
ウールの温もりを生かしつつ、ポリエステル混によって軽さと耐久性を両立。

ジャージー構造のため、ストレッチ性があり、動きやすくシワも出にくい。

シャギー(毛羽立ち)加工によって、ぬくもりと柔らかい陰影感を演出します。

■ 取り扱い・洗濯
ドライクリーニング推奨。(起毛がつぶれる恐れがあるため、家庭洗濯は避けるのが無難です)

保管の際は、風通しのよい場所で湿気を避けてください。

毛羽が寝てきた場合は、軽くスチームを当てることでふんわり感が戻ります。

スチーム時は直接アイロンを当てず、浮かせて蒸気のみを当てるのが理想です。

こちらは、3種類の中でもっとも厚みとコシがあり、上質なループパイルが特徴。しっかりとした肉感ながら軽く、ふんわりとした空気を含む柔らかさ。着る人の動きに自然に馴染み、カジュアルからエレガンスまで幅広く対応。上品なブラックやチャコールで仕立てると、上質なショートコートやブルゾンにも最適です。

◆◆  関連記事 ◆◆

季節の端境期におすすめ、オーダーバルスターブルゾンコーディネートをご紹介しています。

▶ [少し肌寒い時に一着あれば便利なバルスター] 

◆◆ ふるさと納税情報 ◆◆

この冬、ふるさと納税で自分だけのお気に入りのコートつくってみませんか?

京都市のふるさと納税返礼品としてもお選びいただけます。▶ [Salon de Waltz(ふるさとチョイス限定)]

◆◆ Salon de Waltz 公式Instagram ◆◆
製作の舞台裏やコーディネート提案など、更新しています。▶ [@waltz.kyoto_naoko]


 

京都でオーダースーツを仕立てるなら
Salon de Waltzをご利用くださいませ ― 完全予約・ご紹介制サロン

上部へスクロール