杢調の無地に宿る、上質の証
一見すると、ただのグレー無地に見えるかもしれません。 けれど手に取って光にかざすと、細やかな杢糸が織りなす霜降りのような表情が浮かび上がります。
これはエルメネジルド・ゼニアの「Trofeo(トロフェオ)」。 スーパーファインオーストラリアンウールを使用した、ゼニアを代表するライン。無地に見えて実は表情のある生地というのは、こういうことなんだと実感させられる一着です。
今回はジャケットとパンツ、あえて色の違う組み合わせで仕立てました。
ジャケットは、利休鼠(りきゅうねずみ)
ジャケットの色は「利休鼠」。緑みを帯びた鼠色で、江戸時代から続く渋くて上品な色名です。茶人・千利休の名を冠しているものの、実際には利休自身が名付けたわけではなく、後世に利休好みのイメージから生まれた色名だとされます。
主張しすぎない落ち着いた色合いで、着る人の物腰にすっと馴染む懐の深さがあります。
パンツは、銀鼠(ぎんねず)
対してパンツは「銀鼠」。緑みのない、くせのないニュートラルな明るい灰色です。
銀は日本でも欧米でも、白く輝くほど値打ちがあると考えられていた時代がありました。江戸時代には無彩色の代表格として「銀」の名がついた色が生まれ、粋な流行色として親しまれます。
近しい色同士の、上級者な組み合わせ
利休鼠と銀鼠、どちらも「鼠色」の仲間でありながら、緑みの有無で表情が違う色同士です。同系色でまとめながらも、ジャケットとパンツで微妙な色差をつける着こなしは、単色のスーツにはない奥行きを生み出します。
ディテールに見る端正さ
- ラペル: すっきりとしたノッチドラペル。主張しすぎず、端正な印象
- 胸ポケット: きちんと感を保ちつつ、フラップ・パッチの表情でこなれ感も
- 合わせるタイ: 黒のニットタイで、少しカジュアルダウンしたきちんと感を演出
杢調の無地グレーは、フォーマルにもビジネスカジュアルにも対応できる懐の深さがあります。ニットタイを合わせれば柔らかい表情に、シルクタイでかっちりまとめれば商談の場にも十分通用する一着になります。
一年を通して頼れる、万能グレー
季節を問わず着られるグレーというのは、実はスーツ選びにおいて最も重宝する存在です。 今回の利休鼠と銀鼠、近しい色を組み合わせたトロフェオも、そんな「一着あれば安心」なピースになってくれそうです。
大垣書店京都本店内
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◆ 9月の予定 ◆
①9月3日(木)11時から16時
②9月10日(木)11時から16時
③9月17日(木)11時から16時
④9月24日(木)11時から16時
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