
当店の商品は、ゼニアジャパンから仕入れた正規品です。
ゼニアの主要な生地には「赤織ネーム」が付いています。
一方で、並行輸入品や大量生産向けの生地には「青織ネーム」が付けられています。日本のオーダースーツ市場にも、価格の安い並行輸入品が出回っており、リーズナブルな価格でオーダースーツを仕立てるお店も増えています。
しかし、私は、並行輸入品の生地に対してリスクを感じています。
その理由のひとつが、ゼニアの正規ルート以外で入荷する生地は、正確な品番が分からないことです。種明かしになるので、こちらでは、あまり記載しませんが、例えばひとつ例を挙げると、その生地が「先染め」か「後染め」か初歩的な判断できない点です。

余談ですが、15ミル15とカシミアシリーズが、ゼニアジャパンも青織ネームが付いています。

「先染め」の生地は品質が安定していますが、「後染め」の生地は染色の影響で収縮率にバラつきが出ることがあります。
そのため、正確な情報が分からないと、仕立ての際のフィッティングや補正も変わってきますが、お客様が着用される中で、通常の経年変化やライフスタイルによる影響とは別に、一部の箇所だけが急に色落ちしてしまうケースが見られることがあります。
お客様に気に入っておつくり頂いたスーツを、少しでも長く安心して着ていただけるよう、生地の特性を正しく把握し、細部までこだわっています。
それはアフターメンテナンスも含めて、体形の変化に伴うお直しも、許容範囲はありますが、知恵を絞り対応させて頂いております。